くるとの木曜日スタッフを担当しているはるのさんが、他のプロジェクト拠点に視察へ行き綴ったブログ最終章です。(その1、その2はこちら。)どうぞ、最後までおよみください。
他拠点のスタッフと地味すぎるコアな部分を共有しつつ、しかしその上で、運営を どうしていくか、どう考えていくかという問題が常にあることも、共通事項として お話しました。
どうやってお金を回していくのか、人に来てもらう、知ってもらうことの重要性、 提携する役所の方にもわかってもらえる説明の仕方が必要だったり、課題がたくさ ん出てきます。
大事にしたいソフト面とは別の思考ルートが必要とも言え、行動するにも別の“筋 力”を使う必要があり…。
本当は一番大切にしたい部分の重要性が、どんな人にでもそのまま伝わればいいの だけれど、そうはいかないので、色々な目標、目的を作り出しながら場を運んでい く必要があります。しかしその中で、摩擦や、困りごと、難しい局面というのが 多々出て来てしまう。大事にしたい部分がとても地味なので、見失いやすく、内外 問わず、理解されづらい。これも共通した部分かなと思いました。
このようなことから、運営、事務局、拠点スタッフとの視点の違いが出てくるのも 必然で、資金繰りをどうするか、外部の方にもきちんと説明できる数字や結果の記 録的努力など、それぞれ全て必要なことを、スタッフは個々に理解しながら対応 し、こなしていかなければなりません。
スタッフ間でも温度差や、その時々の状況で関わりしろが違うのも当たり前なの で、何度も課題を共有し、話し合いを重ねながら、全体をバランスよく進めていく 必要があります。 このバランスよく、というのがかなり難関であるとも言えるわけですが!笑
違う方向性の思考ルート、別の筋力を使いながら、それぞれの拠点“らしさ”という ものを常に言語化していくことが大事なようです。自分たちの軸を見失わないよう にチームで何度も確認しながら、少しずつ全体が前に進んでいく、ただそれしかな くて。(近道はなさそう!笑 そしてそれを楽しみたい!)
その原動力の一つとなるのが、私の場合、あの大変だった育児期間を助けてもらっ た経験や、人と関わる場を作ってもらえたことで、見失わずに済んだその境地の体験が大きいように思います。それぞれの地域において、このような場所が必要である、と言えるのは、どこまでも自身の実体験からしか伝えられない事柄なのかも知れません。
離島という土地で必要なコミュニティとは何か、どうあるべきかを考えていくうえで、アートを介在させた拠点がもつ可能性の大きさを体験した、小さな一例として。私個人の話が、もしかしたら他の誰かにとってもそうなのかも知れない…そう 思うのは烏滸がましいだろうか、と悩みながら、今色んな事例を学んでいるところ です。
たくさん聞き取りをさせていただいた内容を相対的にまとめてしまったので、とても曖昧な表現の多い内容になってしまいました。
けれども結果や結論が急かされがちな現代社会において、あえて明確でない在り方 を担うことを、私たちは時代の背景に求められているようにも感じています。 地域コミュニティにおいてそのような場がある事は、ちょっとした心の拠り所とな れたり、遊びや、関係性が生まれる貴重な場となることを、この数年拠点スタッフ をすることでたくさん目撃してきました。
ファンファンの提示している言葉が素晴らしくてとても影響を受けています。 『安心してモヤモヤしよう』や『やってみるをやってみる』など。 それを出来る場が、ファンファンというところ。 このような曖昧さを言語化して共有するって難しいけれど、このような一つのフレ ーズになっているとかなり整理される感じがあって、素敵だなと思いました。早速 スタッフミーティングでも用いてみると、物事の途中の曖昧な段階を、丁寧に共有 しやすくなったように思います。
仲町の家も、ファンファンも、その途中の段階をとても丁寧に扱い拠点を作られて いるように感じました。 これはくるとにおいても、より一層意識して高めていけたらいいなと思います。
健やかな地域コミュニティを思い描きながら、わかりづらい曖昧さを堂々と引き受 けて、今日も、なんでもない普通の日を大切に、出来ることなら末長く、場を開 く、ということを拠点スタッフとして見続けながら、少しでも“拠点があること”の意義を表明していく術を持ちたいと思いました。
貴重な学びの機会をいただき、心から感謝しています。
⚪その他諸々の特に印象的だったこと⚪
・『草むしりと交流会』に参加して、初めて来ました、という参加者の方とお話し ました。 「散歩でよく通っていて気になっていたけど入ったことはなくて。そしたらこのイ ベントがあると知ったので、今日来ました。」とのこと。誰がくるかわからないけ れど、こうして定期的に行う小さなイベントの良さを感じました。
・ファンファンのイベントに参加して、イベント内容の楽しさも去ることながら、 島の特有性にも気づきました。 集まった参加者の半数以上?が大学~大学を卒業したぐらいの方々だったかなと。 この年齢層が島にはほぼいないんだということを改めて気付かされ、熱心にトーク を聞く空気感を新鮮に思いました。くるとにおいてもこの世代の方々と、いつかの 何かの機会に関わりしろをもつことを何処か念頭においておいてもいいのかなと思 いました。
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