こんにちは!拠点スタッフ八島です。
1月22日(日曜日)に行われたアーティスト・プログラムin神津島/大西健太郎『西ん竜風(にっしんたっち)』 の様子をお伝えします。

今回のkeyになったのは 『風をキッカケにする』 という大西さんの言葉。 スタッフミーティングの時点から風の話題で盛り上がりました。

風は普段は気持ちの良いものと感じますが、季節や状況によっては、漁業や農作物に影響を与えたり、船や飛行機が欠航して物資が届かなかったり、島での生活を脅かすこともあります。

その反面、神津島に吹く強い西風は、ウツボなどの干物や切干し大根のような、冬を越すための保存食を作るには欠かせない存在です。

「風は恐れられるだけではない、生活に根付いたものなのだ」と、大西さんが感じた神津島に住む人々と風との関わりから、愛着のわくような〝名前〟が付けられました。 それこそが今回のタイトル『西ん竜風(にっしんたっち)』です。

また今回は一緒に『西ん竜風』の運営をしてくださるプログラム専門サポーターを募集。3名の方が参加してくださり、大西さんと、くるとスタッフと一緒に前日の準備から運営のまでを一緒に考えました。

当日の プログラムは、

・空気の層を掴んで揺れる素材で風を捉える装置を作る 「工作の時間」

・作った装置を持って、村内を散歩しながら路地などで風〝西ん竜風〟のいる場所を探す「散策の時間」

・散歩で見つけた風の様子、感じたことを短歌のような歌にしてみる「絵や歌を作る時間」

・輪になって、皆んながそれぞれ作った歌をリズムに合わせて詠んだり、歌に合わせて踊ったり、自由に表現する「歌垣の時間」

の4部で進みました。

風を捉える装置を工作しているところ
体に装着!
親子で作品を見せあっています
作品の長所を解説中!
作った装置と皆んなで決めポーズ!
風を探しながら村中を散策しました。

大人、高校生、小学生、保育園児、さまざまな年齢層や立場の方々が集まって 〝風を捉える装置〟や歌、踊りを作りました。作られたものの個性もちろん、風との接し方、過ごし方が皆それぞれ違っていて、目にはみえない風をテーマにしたからこそ色とりどりの景色をみせてもらう事ができました。

特に最後の歌垣(うたかき)のパートでは、大西さんのパフォーマンスに小さな子供たちも高校生も大人も引き込まれ、会場全体が変容し続ける大きな模様のように。今ここで生み出している生のアートを感じる瞬間でした。

風は様々な場所をまわって移動している空気とも考えられます。 いま神津島に吹く風もどこからきたのでしょう? 元々そこにはなかったものが島を訪れて、揺さぶられることもある一方、ずっと空気が移動して循環し続けていることで、人間は新鮮な酸素を取り込んで呼吸して生きています。

自分にとって、周りを取り巻く物や他者という存在と似ているかもしれません。 環境や出逢う人によって影響し合いながら循環を生み出していく、そんな縮図のようなものを見た気がしました。

こらからも、そんな循環の輪ができるきっかけを仕掛けていけたらな。と、“くると”の拠点スタッフとして思った1日でした。