「早く出たかったのに、今は寂しい。」島生まれの女子高生が3年生になった今思うこと。

「島で幸せなターン」をしている人々にお話を伺い、その物語を共有する『HAPPY TURN/神津島 通信』。今回は今年度よりに拠点「くると」のスタッフとして神津島に移住をした佐々木美紗が、神津高校に通う、島生まれ、島育ちの女子高生、中村千南さんにインタビューを行いました。高校卒業とともに島を離れる予定の千南さん。島生活残り1年を切り、人生の大きなターンが近づいてきている今の本音を伺いました。

※取材日5月23日土曜日
(新型コロナウイルス感染拡大防止のため当時高校は休校中、リモートにて取材を行いました。)


~HAPPY TURN/神津島 NEWスタッフがインタビュー~

「早く出たかったのに、今は寂しい。」
 島生まれの女子高生が3年生になった今思うこと。

 

名 前:中村千南
年 齢:17歳
所 属:東京都立神津高校3年生
島在住:17年目
出身地:神津島

 

島で生まれ育って良かったなと実感することはありますか?
神津は困ったとき、誰かしらが助けてくれるから、そういう人が優しいところで育ってよかったなと思います。中学2年生の頃インターンで東京に行った時に、道が分からなくなって困ってしまって、みんな困っている私を見ているのに、素通りで誰も助けてくれなくて。全員知らない人だから当たり前だとも思うんですけど、島だったら、転んだときとか、知らないおばさんでも声をかけてくれます。
あとは海がきれい、空気もきれい、景色がいい。17年間住んでいても、今でも夕日を見るときれいだな、と思います。

逆に、東京の高校生が羨ましいと感じることはありますか?
すごくよく思います(笑)。東京の高校生のインスタグラムを見ると、学校帰りにプリクラ撮ったり、ファーストフード店に行ったりしているのが載っていて、それは本当に羨ましいですね。あとは、神津高校の1~3年生全員の数が東京の高校の1クラスの人数だったりして、生徒の人数が島とは全然違う。体育祭や学校祭など行事の様子をSNSで見ると東京の高校いいな~って憧れます。あとは、コンビニがない。コンビニあったら便利ですよね。

 

島では学校以外どんなことをして過ごしていますか?
ツーリング行ってから、浜で遊んでいます。コースはその日によって違って、赤崎とか多幸とかありま展望台とか相談して決めて行きます。その後に、砂浜でみんなで話したり、バレーボールしたり、映える写真をみんなで撮ったりしています。

(千南さんが撮影したお気に入りの海の写真)

 

親戚が多いとお聞きしましたが、何人くらいいるのですか?
いとこだけで21人いて、来月にもう一人生まれます。島の中だと、スーパーに行っても散歩していても、誰かしらに会うことが多いのでよく挨拶しますね。そんなに親戚がいっぱいいる!という感覚は全然なくて、暮らす中でそれが当たり前です。でも、みんなで一同に集まる時や旅行に行く時には、すごい人数だなって驚きます(笑)。特に年が近いいとこが同級生にもいるし、1つ上にも下にもいて、家族だし、気を使わないでいろんなことを相談しやすくて、それはすごく良かったなと感じます。

 

島を出たら、知らない人ばかりの環境になりますが今の心境は?
不安が大きいです。今になって出たときのことを具体的に想像するようになって。一人暮らしして、家に帰ってだれもいないし、困ったときは誰が助けてくれるんだろう、あ!じぶんでやらなきゃか!みたいな…。最近友達と話していたテーマは「東京の荒波についていけるのか」です。やっぱり神津は平和だから不安だなと思うことはたくさんあります。

 

去年とは違いますか?
そうですね。寂しいです。みんなも自分も、中学生の時から早く島を出たい!って言っていたけれど、今は本当に寂しくなっています(笑)。いざもうすぐとなると不安なことばかりを考えてしまって、なんだかんだ島が一番落ち着くなと実感しています。

 

都内に進学予定とのことですがやってみたいことは?
栄養士になるための専門学校に進学したいと考えていて、不安ですが一人暮らしを始める予定です。バイトもしたいです。あとは、いろんなところに行きたいです。中学の頃から仲の良い島の先輩が都内にいて、早くおいで!と言ってくれていて。キャンプしたり、ドライブしたり、先輩たちと一緒に、自分が行ったことのないところに出かけることややったことのないことを経験をするのはとても楽しみです。

 

ラスト一年でやりたいことはありますか?
みんなでワイワイしたいです!なのに新型コロナのせいで休校になってしまって、こんなに学校行きたい!と思ったことは今までで初めてです(笑)。なくなってしまった行事もあって残念ですが、もう少しで始まるので、始まったら全力で楽しみたいです。あとは、大好きなバイトのメンバーとも、天上山に登ったり、カラオケに行ったり、まだできてないこともあるので、島にいる人や友達と今しかできないことをやりたいです。

 

【インタビューを終えて】
佐々木美紗
普段はのびのびと島暮らしをし、長い休みには東京へ行って買い物をしたり、おいしいものを食べたりと『今』を楽しんでいる様子がSNSで印象的だった千南さん。東京に憧れながらも島から出ることを目の前にして、無いものだけでなく今あるものを見つめ、大事にしたいと思う気持ちが伝わってきました。私も実家の北海道から東京に出てくるときや、住み慣れた東京から島に来るとき、不安を抱えていたことを懐かしく思います。きっとそれは誰もが通る道で、成長することへの第一歩なのではないかと感じました。淋しさと不安と期待を抱えながら、新しい道を進んでいく千南さんを、今後も応援していきたいです。

記事:佐々木美紗(HAPPY TURN/神津島)
写真:中村千南
編集・写真:飯島知代(HAPPY TURN/神津島)

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1 Comment

  1. 石田史廣

    千南!卒業して東京に出るまで後数ヶ月。沢山の思い出を作って残りの高校生活楽しんでください。いつでも千南の強力な味方です。父より。

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