島に長く住み、生活を営んできた先輩お母さんと、くるとの仲間たちが出会い、島の文化や、畑の仕方を教わりながら、島での生活をより豊かに楽しもうという、和やかなコミュニティ「はたけ部」のレポート後編
前編はこちら 執筆: 拠点スタッフ 角村悠野
〜収穫、切り干し大根づくり、煮しめづくり〜
中程に書いた通り、今回のプロジェクトは、最後まで到達できるか誰にもわからないという条件のもと行ってきた。途中、こりゃほとんど育たないかも??という事態に何度か見舞われ、「ま、あまり期待しないで楽しもう!」という雰囲気の時もあった。
しかし誰にも予想がつかない収穫の日。まさかまさかの立派な大根がたくさん!畑半分の収穫で想像の倍以上30本程を収穫!!それはそれは嬉しかった。皆で驚き、喜びあえる出来事となった。
ハードな開墾作業から、タネ蒔き、みんなで見守った発芽、、これまでのことに思いを馳せつつ、育った大根をわが子のように皆で愛でるのがじわりと嬉しく、とても和やかな空気に癒されるようだった。
収穫後の切り干し大根づくりは保育園児も手伝い、大人も子供もみんなで作業。途中子供たちは何度も「おいしいおいしい!」と言って採れたての大根を口に入れる。
大人は不慣れなかんなを、あれこれ工夫しながら使って大根を切った。みんなで作業したらあっという間に干すところまでできた。
数日間それぞれの家で干し、「完成したよー!」「うちもー!」と報告。
そうして、切り干し大根完成ー!!までたどり着いた。
そして最終、神津島郷土料理「煮しめ」を教えてもらう日がやってきた。賑やかに雑談しながら、Mさんにコツを教わる。
レシピを見れば一人でも出来ることなのだけれど、やはり人から教わることに意義を感じる。
長きにわたりこの土地で作られてきた料理を通じて、島のお母さんたちの台所歴史と、Mさんの経験、そしてこの日の愉快な空気が合わさって、新たに温かな記憶として自分に染み込んでいく。きっと子供たちにもその空気は伝わり、こうして文化というのは紡がれていくのだと、改めて感じ入る出来事となった。
この何とも味わい深い「煮しめ」を、大勢のごはん会で美味しくいただき、今回のはたけ部は一度フィナーレを迎える。けれど、「今後も続けていきましょう」と、それもまたとても自然な流れとなって、これからも穏やかに、緩やかに、くるとはたけ部は続いていくことになりそうだ。
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